ラスコーリニコフです2020-04-28

 ≪Старушонка поминутно кашляла и кряхтела. Должно быть, молодой человек взглянул на неё каким-нибудь особенным взглядом, потому что и в её глазах мелькнула вдруг опять прежняя недоверчивость.
- Раскольников, студент, был у вас назад тому месяц, - поспешил пробормотать молодой человек с полупоклоном, вспомнев, что надо быть любезнее.
- Помню, батюшка, очень хорошо помню, что вы были, - отчётливо проговорила старушка, по-прежнему не отводя своих вопрошающих глаз от его лица.≫

<試訳> 老婆はひっきりなしに咳をして喘いでいた。青年は何か特別な眼差しで見つめたのかも知れない、なぜなら彼女の目には、急に再び先ほどの疑り深さが浮かんだからだ。
「ラスコーリニコフです、学生の、ひと月前にお訪ねしました」 ― 愛想よくしなければならないのを思い出して、あわてて青年が呟いた。
「覚えていますとも、お前さん、来られたのはとても良く覚えていますよ」 ― 老婆は依然として彼の顔から疑いの目をそらす事なく、はっきりと言った。

・ 初めて主人公の名がラスコーリニコフと明かされます。普通は冒頭で名前が提示される事が多いのに、ここまで伏せられると謎めいた感じです。因みに、ラスコール(раскол)には “ 叩き割る ” の意味が、また、ラスコーリニック(раскольник)にはロシア正教の分離派の意味があります。作者は名前に含みをも持たせる場合が多く、この名も暗示的です。

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