精神錯乱の前兆ではないだろうか ― 2025-02-25
≪Разве она в здравом рассудке? Разве так можно говорить, как она? Разве в здравом рассудке так можно рассуждать, как она? Разве так можно сидеть над погибелью, прямо над смрадною ямой, в которую уже её втягивает, и махать руками, и уши затыкать, когда ей говорят об опасности? Что она, уж не чуда ли ждёт? И наверно так. Разве всё это не признаки помешательства?"≫
<試訳> “彼女は はたして健全な判断ができるのだろうか? そんな彼女があのような言い方ができるだろうか? 正常な判断力を持っていながら、あのような考え方ができるものだろうか? もう彼女が引き込まれそうな、まさに悪臭漂う巣窟のもと、その破滅の淵にあって、危険だと言われているのに聞こうともせず、手を振り耳を塞いでいられるものだろうか? ひょっとしたら彼女は奇跡を待っているんじゃないのか? いやきっとそうだ。これはみな精神錯乱の前兆ではないだろうか?
・ ラスコーリニコフは執拗にソーニャの言動を分析し続けます。彼女が滅びの淵にありながら、その苦しみよりも義母やその子供達の不幸を声高に訴えるのが、彼には納得できないのです。精神錯乱の前兆とまで言います。もっとも、彼自信、あの凶行の時こそ錯乱そのものでした。はるかに重大な我が身の処し方を考えるべきだと再三思います。
<試訳> “彼女は はたして健全な判断ができるのだろうか? そんな彼女があのような言い方ができるだろうか? 正常な判断力を持っていながら、あのような考え方ができるものだろうか? もう彼女が引き込まれそうな、まさに悪臭漂う巣窟のもと、その破滅の淵にあって、危険だと言われているのに聞こうともせず、手を振り耳を塞いでいられるものだろうか? ひょっとしたら彼女は奇跡を待っているんじゃないのか? いやきっとそうだ。これはみな精神錯乱の前兆ではないだろうか?
・ ラスコーリニコフは執拗にソーニャの言動を分析し続けます。彼女が滅びの淵にありながら、その苦しみよりも義母やその子供達の不幸を声高に訴えるのが、彼には納得できないのです。精神錯乱の前兆とまで言います。もっとも、彼自信、あの凶行の時こそ錯乱そのものでした。はるかに重大な我が身の処し方を考えるべきだと再三思います。
コメント
_ j潤 ― 2025-02-25 09:03
本当にそう思います。ラスコーリニコフは自分の置かれた身を、自分がやったことを振り返ることをしないのかしら?他人のふり見てわが身を振り返ることを忘れてる?本当は自身の自信のなさを隠してる?ソーニャの深い愛と忍耐力に恐れを感じていると思われます。
_ mir→潤さん ― 2025-02-26 10:09
確かにラスコーリニコフは相手の非には厳しいのに、自分を省みて正そうとしませんね。何と言ってもあの凶行を未だに悔いていません。自らの理論を実践したという自信があるのでしょう。それでも、その重荷を否応なく背負って追い詰められているのです。彼は母や妹への情愛が深く、また不幸な人達を見過ごせずに救おうとする優しさがあり、とても複雑です。今ここで、ソーニャの献身的な愛と信仰、そしてその深い苦悩に遥かに及ばない自分を知って、恐れというよりも畏敬に近い感情を持ったのではないでしょうか。
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